クラシック音楽でよく出てくる用語に「協奏曲」「交響曲」があります。
日本語として響きが似ているのですが、正直違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、交響曲と協奏曲の違いについて徹底的に解説します!
協奏曲と交響曲の違いを簡単に解説
まずは、協奏曲と交響曲がどう違うのかを表にまとめてみました。
項目 | 交響曲 | 協奏曲 |
---|---|---|
楽器構成 | オーケストラ(管弦打楽器) | オーケストラ+ソリスト |
人数 | 50~80名くらい | 30~60名くらい+ソリスト |
曲の楽章 | 4楽章で1曲 | 3楽章で1曲 |
演奏時間 | 30~45分 | 15~20分くらい |
協奏曲と交響曲は、どちらも管弦楽(オーケストラ)で演奏される曲のジャンルとなります。
一番大きな違いが「指揮者の左側にソリストがいるか」どうかになります。
協奏曲は、ソリストが指揮者の左隣で立って演奏しています(ピアノはもちろん座って演奏します)
交響曲は、演奏中には指揮者の隣に誰もいない状態となります。
交響曲とは
交響曲は、1600年代のイタリアで「オペラの序曲」が独立して演奏されたのが起源だと言われています。
モーツァルトやハイドンの時代に「ソナタ形式」が完成されたと同時に、交響曲も4楽章形式に落ち着きました。
その後、ベートーヴェンが金管楽器をフルに用いた大がかりな編成の交響曲を書き、今でもフルオーケストラというとベートーヴェンの第5番「運命」が演奏できるだけの構成を指す場合が多いです。
交響曲の作曲家は誰がいる?
交響曲を作曲した作曲家は数多くいるのですが、中でも演奏機会の多い10人の作曲家と作曲した交響曲の数をまとめました。
作曲家名 | 年代 | 出身国 | 交響曲数 |
---|---|---|---|
F.J.ハイドン | 1732年~1809年 | オーストリア | 104曲 |
W.A.モーツァルト | 1756年~1791年 | オーストリア | 約40曲 |
ベートーヴェン | 1770年~1827年 | ドイツ | 9曲 |
R.シューマン | 1810年~1856年 | ドイツ | 4曲 |
F.メンデルスゾーン | 1809年~1847年 | ドイツ | 5曲 |
J.ブラームス | 1833年~1897年 | ドイツ | 4曲 |
チャイコフスキー | 1840年~1893年 | ロシア | 6曲 |
ドヴォルザーク | 1841年~1904年 | チェコ | 9曲 |
G.マーラー | 1860年~1911年 | オーストリア | 9曲 |
ジャン・シベリウス | 1865年~1957年 | フィンランド | 7曲 |
プロコフィエフ | 1891年~1953年 | ロシア | 7曲 |
交響曲の定番曲5選
協奏曲とは
協奏曲は、もともと声楽+伴奏だったものがバロック時代~古典派時代に変化してできたものだと言われています。
ソロ楽器+オーケストラで演奏されますが、たった一人のソロ楽器を消してしまわないように人数はやや少なめ。
3楽章で1曲の協奏曲が多く、ほとんどは1楽章が交響曲と同じようにソナタ形式となっています。
協奏曲の作曲家は誰がいる?
協奏曲を書いた作曲家ですが、楽器によって異なるので、協奏曲ではソロ楽器ごとに曲数を紹介していきます。
曲名 | 作曲家と曲数 |
---|---|
ピアノ協奏曲 | モーツァルト(27曲) ベートーヴェン(5曲) シューマン(1曲) ショパン(2曲) リスト(3曲) ウェーバー(2曲) グリーグ(1曲) チャイコフスキー(3曲) ラフマニノフ(5曲) サン=サーンス(5曲) プロコフィエフ(5曲) |
ヴァイオリン協奏曲 | ヴィヴァルディ(3曲) モーツァルト(5曲) ベートーヴェン(1曲) ブラームス(1曲) パガニーニ(3曲) バルトーク(2曲) サン=サーンス(3曲) チャイコフスキー(1曲) シベリウス(1曲) プロコフィエフ(2曲) |
チェロ協奏曲 | ハイドン(2曲) シューマン(1曲) エルガー(1曲) ドヴォルザーク(1曲) サン=サーンス(2曲) チャイコフスキー(1曲) |
フルート協奏曲 | モーツァルト(2曲) |
オーボエ協奏曲 | モーツァルト(1曲) R.シュトラウス(1曲) |
クラリネット協奏曲 | モーツァルト(1曲) ウェーバー(2曲) |
ホルン協奏曲 | モーツァルト(4曲) ウェーバー(1曲) サン=サーンス(1曲) R.シュトラウス(2曲) |
トランペット協奏曲 | ハイドン(1曲) L.モーツァルト(1曲) ※モーツァルトの父 フンメル(1曲) |
こうしてみると、モーツァルトとサン=サーンスの登場率が高いように思いますね。
ちなみに近代の協奏曲は、ソロ楽器奏者が自ら作曲するケースも少なくありません。