書類に同意する際「押印」「捺印」といった項目が最後にあるかと思います。
押印と捺印の違いは「自署の記名が必要かそうでないか」なのですが、なんとなくハンコを押している人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、押印と捺印の違いや「押印や捺印に使ってもいいハンコ」について解説します。
押印と捺印の違いは「自署」が必要かそうでないか
冒頭でもお話ししたとおり、押印は「記名(自署でなくても可)+印鑑」で、捺印は「自署+印鑑」の事です。
というのも、押印は「記名押印(きめいおういん)」の略で、捺印は「署名捺印(しょめいなついん)」の略だからです。
まずは記名押印と署名捺印の違いを詳しく解説していきます。
押印は「記名押印」の略
押印は、記名押印(きめいおういん)の略で、何かしらの形式で記された名前+印鑑という形式になります。
もちろん自署でもかまいませんし、ゴム印など手書きでない名前でもOK。
また、名前が記されていない書類に印鑑だけ押す場合も押印となります。
捺印は「署名捺印」の略
対して捺印は署名捺印(しょめいなついん)の略で、その名の通り自署での記名+印鑑という形式になります。
必ず同意者が自筆で署名しなければならず、法的拘束力を持つような書類に使われます。
何かしらの「契約書」には署名捺印が必要なことが多く、同時に「身分証明書」の提示が必要です。
押印と捺印に使っていい印鑑はどれ?
押印と捺印に使う印鑑ですが、なんでもいいワケではありません。
使う印鑑によっては、偽造の恐れがあるからです。
続いては押印と捺印に使ってもいい印鑑についてみていきましょう。
実印
印鑑登録がされている印鑑で、公的機関から発行される「印鑑証明書」も併せて提出する場合に使うことが多いです。
実印は100均で買えるような量産品の三文判でも登録は可能ですが、同じ苗字の印鑑を買えば書類を偽装することが可能になるので推奨されていません。
男性であれば直径15mm~18mm、女性であれば13.5~15mmの印鑑で、きちんと1つ1つ彫ってもらえるお店で実印を作りましょう。
銀行印
特に金融関係の署名捺印には、銀行印を使います。
最近は銀行印と実印を兼用している方が多いのですが、セキュリティの観点から分けることが推奨されています。
銀行印も実印と同じく「オーダーメイド」の方が偽造防止に良く、サイズは実印よりやや小ぶりに作られる方が多いです。
三文判
三文判(安い量産品のハンコ)も捺印・押印には使えます。
そもそも印鑑登録や銀行印に登録するのに三文判を使ってもいいので、登録が三文判の方は押印・捺印にも三文判を使うことになります。
ですが先に解説したとおり「書類の偽造につながる恐れ」があるので、銀行印や実印はきちんとオーダーメイドで作ったものを登録しておきましょう。
押印と捺印にシャチハタがNGな理由
押印や捺印、特に署名捺印が必要な場面では「シャチハタ」「スタンプ式のハンコ」は使ってはいけません。
理由としては
- 朱肉ではなくインクなので、劣化の恐れがある
- スタンプ面がゴムなので、使用しているうちに形が変化してしまう
というデメリットがあるからです。
職場の承認印として使うくらいならシャチハタでもOKなのですが、法的拘束力がある書類には使えない場合が多いでしょう。