物事をテキトーに済ませてしまったとき、「なおざり」や「おざなり」といった言葉で表現することがあります。
ですが「なおざり」「おざなり」2つの違いってよく分からないですよね。
どちらもいい加減、という意味はあるのですが、状況によって使い分けた方がよさそうなんです。
「おざなり」「なおざり」って何が違う?漢字や使い方を解説
それでは早速、おざなり・なおざりの違いを解説していきます。
まずそれぞれの言葉の意味を見て、最後に違いや使い分け方を解説していきますね。
おざなりとは
おざなり【御座なり】[0]
参考:無料広辞苑検索「新明解国語辞典」より
―な/―に その場限りの まにあわせ。いいかげん。
「―な挨拶アイサツ」
おざなり、とは、漢字で書くと「御座なり」となります。
その漢字から分かるように、お座敷で芸子や舞子が「心ここにあらず」のいい加減な相槌や手拍子を打つ様子からできた言葉。
というわけで、おざなりは
- いい加減
- 間に合わせ
- その場しのぎ
といったニュアンスが含まれます。
なおざりとは
1 いいかげんにしておくさま。本気でないさま。おろそか。「―な練習態度」「子供のしつけを―にする」
2 ほどほどで、あっさりしているさま。
参考:Weblio辞書「デジタル大辞泉」より
対するなおざりは「等閑」と書き、こちらも「いい加減」なことを意味します。
おざなりとの違いと言えば
- 気にも留めていない
- おろそかにしている
といった点が違います。
現代語では「おざなり」「なおざり」はほぼ同じ意味
現代日本では、しゃべっている場合は「おざなり」「なおざり」はほぼ同じ意味で使われています。
どちらも「いい加減に対応した」という意味で使われているのですが、ある1点だけは気を付けておかないといけません。
それは「対応したうえでいい加減だったのか、そもそも対応すらしなかったのか」という事。
おざなりは「一応対応・対処したけれど、至極適当でやっつけ仕事だった」という意味で、
なおざりは「何か頼まれたけど、適当に流して対応すらしなかった」という意味合いが強いです。
「おざなり」「なおざり」どう使う?
では、具体的にどう「おざなり」「なおざり」を使い分けるかを見ていきましょう。
- 後輩がおざなりな態度を注意されている
- アフターファイブが気になるからか、返事がおざなりだ
- 法事の間中おざなりだった彼は、親戚から総スカンを食らっている
上記のように、おざなりは「その場で対応しているにも関わらず、いい加減な態度を取っている」場合に使います。
- 試験前なのに勉強をなおざりにしている
- クレームをなおざりされたお客様なので、相当お怒りだ
- 今の君の言動は、友人としてなおざりにできない
対してなおざりは「問題があるにも関わらず、対応を怠っている」というニュアンスで使われます。
3つ目のように「なおざりにできない」という風に使うと、看過できない、見過ごせない、という意味でも使えますよ。